幸せの形

 

それは平和な一時だった。

 

「お兄ちゃん。舞子ね。いつも一人でご飯食べててつまんなかったの。

だからお兄ちゃんが来てくれて嬉しかったの。」

「・・・。」

答えられなかった。

どう反応すればいいんだ?

わからない。

オレがいると嬉しい?

そんなことを思うのは間違っている。

だって違う。

オレはお前に会いに来たわけじゃない。

喜ばれることなんてしてはいない。

「お兄ちゃん。肩車してぇー。」

たあいの無い事をねだる舞子が

なんだか他の人からの感情とは違う気がして内心戸惑う。

それでも肩にのっけてやるときゃっきゃ言いながら本

当に嬉しそうに笑っていた。

その顔を見て殺羅の心がつきりと痛む。

でも、もうすぐこのいたみも消えるだろう。

この心の揺れと一緒に。

また闇に沈んでいくはず。

今ここで失敗して帰ってもどうせまた狙われるにきまっている。

生の時間が延びるだけ。

結果はどうにも変わらない。

だったらオレがやる。

オレが・・・・・・・・。

 

いつのまにか舞子は寝ていた。

殺羅の肩の上で。

幼い寝息をたてながら。

 


作者から
殺羅くんがやっと決心してくれたようで;
そろそろ第二殺も終わりですね〜。

 

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